コラム

第1回「今こそ必要な“四方良し”の会社経営」
2020.01.01 齋藤敬一

会社を経営するとは、どう言うことでしょうか?

世界に初めて出来た株式会社は、オランダの東インド会社です。そして、同じ目的の会社をイギリスが作り、その会社が大英帝国を発展させたことは、あまりにも有名ですね! この東インド会社は、オーナーである国王と株主である貴族の利益のためにある会社でした。つまり、オーナーと株主の利益を生み出す事が、最大の目的です。そこでは、社員、仕入れ先、売り先、世間の利益は、重視されません。株主達だけがWIN、そのほかのステークホルダーは、LOSEという構図です。

これが基本的な考え方ですので、ウォール街では、1株当たりの利益や、1株当たりの純資産を重要な会社評価の指標としていますし、これによって株価が決まると言っても過言では有りません。

さて、皆さん、もし、会社の生み出す1株当たり利益だけで、皆さんの会社を評価されたらどうでしょうか?

ちょっと、違和感がありませんか?

もし、利益だけを追求したら、社員は生かさず殺さず、取引先も生かさず殺さず、顧客にも高価な価格を押し付ける、地域経済にも貢献せず、税金も最大限に払わない様に心がける事になります。そして、原価を下げるために環境に悪いものでも安ければ使う。 これを株主が追求して、株主様とオーナー経営者に貢献することが短期的にも長期的にも求められるとしたら・・・どうでしょう?

それって、どうですか?
そこの商品を買いますか?
そこと事業提携しますか?
その会社に勤めますか?

僕は、その会社のブランドが凄かったとしても嫌ですね!

日本の会社は、100年以上続いている老舗が世界一、2位のフランスを大きく引き離して圧倒的に沢山あります。それは何故かというと、三方良しの考え方で経営しており、公益性を重視しています。また、西武の創業者の堤さんも仰ってますが、リゾート開発をするにしても自然を活かして自然に生かされたリゾート、最小限の開発を行う事を大切にしています。この様に、現代であっても自然を崇拝し、八百万の神々達を自然の中に見出し、感謝して一体となって生きてきました。

日本は、欧米の考え方の様に、自然を恐れて克服するための敵としてコントロールしようなどとは考えません。

しかし、今、お金という利益を追求するあまり、環境も破壊し、新しい化学物質を便利さとちょっとしたコストダウンのために使いまくり、未来を破壊する企業が増えています。全員で未来を潰そうとしている事に気付いていません。もう、欧米の様な資本主義の経営では、地球に我々の子どもや孫が住めなくなると僕は、真剣に考えています。

ですから、四方良し、つまり、売り手良し、買い手良し、世間良し、未来良しの経営が今こそ必要です。

それができるのは、日本人です。 世界にそれを示し、リーダーシップを発揮しましょう!